ひとりになりたくて、なりたくないの[言葉の切れ端016]

ひとりにしないで、とあたしはすがる。
人一倍寂しがりやなのだ。

ひとりにして、とあたしは拒む。
バケツがいっぱいになったのだ。

ここでの問題は、人が取りうるコミュニケーションというものの、その浅さなのだ。

わかりあえなさだけが募ってゆく、そのやるせなさなのだ。

太陽がもう少しだけ熱かったら。
あるいはもう少し近かったら。

全部は溶けあって、あたしたちは別々で存在しなくてもよくなるのにな。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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