黒猫との共通の話題[言葉の切れ端023]

黒猫との共通の話題[言葉の切れ端023]

うむーう。
黒猫は言った。

会社を辞めて、貯金を全部おろして、長野県の貸し出し別荘に腰を落ち着けて三日目の夕方。

大きな窓に座って外を眺めている黒猫に気が付いたのは、窓を開けてみようと思い立ったからなのだ。

黒猫はごく普通の黒猫だった。
ただ、喋るというだけのことだった。
取りたてて気にするほどのことではない。

問題は、僕らのあいだに共通の話題がないことだった。