無限空間への意識飛ばし[言葉の切れ端025]

無限空間への意識飛ばし[言葉の切れ端025]

思考停止だって?

つい今しがた、隣の惑星の訪問を受けたポールは苛立ちながら書類に判を押し始めた。
彼にとって、いやこの星に生息するすべての人間にとって、苛立ちという感情を経験するのは宝くじに当たるより珍しい。

人々の意識を特定の無限空間へ飛ばし、有限性が引き起こすすべての事象から価値を取り去ってしまうことで、命を絶つ者も戦争も飢えの苦しみも消えた。

不思議なことに、制約を取り去ったことで人々の思考は一定の方向へ集約した。

思考停止だって?

このシステムを維持するため、我々は二百万キロメートルも太陽に近づかなくてはならなかったのだ。

恒久的な平和のために。