歪みのない世界[言葉の切れ端036]

「人間には、利き手ってやつがあるらしい」

「なんだ、それ」相棒が言う。

「ものをつかんだり、字を書いたりするとき、右手ばっかり使うんだと。ハサミや自動改札機なんかも、右寄りに作られているらしい」俺は新聞に書いてあることをそのまま読む。今日の新聞は、縦書きの右開きだ。

「そんなことをしたらお前、身体の軸が歪んじまわねえか?」相棒はいつものように、半分だけ興味のあるような返事をする。

「しかも人間の約5パーセントは、左が利き手なんだそうだ」

「悲惨だな」

今日の相棒は、俺から見て右回りに37度の方向に重力がかかっているらしい。

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ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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