バランスの取れた平和なんて[言葉の切れ端098]

「我々は、バランスか平和か、どちらかを選ばなくてはならない」

男が語りかけてくる。

「平和とは偏りだ。バランスのとれた世界は平和にはなりえない」

男とは私だ。

私は鏡を使って、自分自身に話しかけているのだ。

世界はバランスを保つことによって、つまり平和にならないことによって、その秩序を守っている。しかしおかげで、私は話し相手を失ったのだ。

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ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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