理想のひとの募集要項[言葉の切れ端099]

理想のひとなんて、そんなふうにさっさと言葉にできるものじゃないよ。

パジャマ姿の沙也がプロテインドリンクを飲みながら、理想の男性について半ば募集要項的にいくつか条件を述べたあとで、心はそう言って自分の理想の男性について述べることを断った。

それで二人は次の日の旅程を確認し、昼食を摂る店のリサーチを始めた。

「理想のひとはね」

数分経ったころに心が沈黙を破った。沙也がスマートフォンから顔を上げる。

「頭も勘もいいんだけれど、それでいて理屈より感性が勝っちゃうひと。私の考えていることは全部わかるし、それで私がどうしてほしいのかもわかるし、それが私のためにならないかもしれないこともわかるし、でもそういうのは全然気づかないふりをして、お風呂上がりのアイスクリームみたいに、私を甘やかすのをやめられないひと。それでいて、『風呂上がりのアイスクリームは俺の人生だ。何人たりとも侵すことはできない』とか言って、一生懸命腹筋してるようなひと」

「それあたしじゃん」

沙也は言って、ウニ丼の画像を心に見せた。

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ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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