正しさの存在を否定すること[言葉の切れ端108]

正しいことなんて存在しないんだ。

私がせがむと、彼は苦しそうにそれだけ呟いた。

彼はその言葉のはらむ自己矛盾に、もう何十年も向き合ってきたのだ。

私たちの脳が理解できる論理性には限界があり、言語化するとその確からしさはさらに減じてしまう。

言葉を使っている限り、私たちは決して合意には到達しない。

少なくとも今までのところ、神の目論見は成功しているのだ。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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