科学は人を幸せにしない[言葉の切れ端151]

「科学は人を幸せにしないだって? なんて的はずれな考え方だ」

 目の前の科学者は初対面の私にも遠慮なく言葉を浴びせる。科学者とは、そういう人たちなのだ。

 私は興奮する。科学者の道を諦めて雑誌の編集者になってからは、お金にならない科学記事をせっせと取り上げてきた。それでも本当の科学者は、決して人前に姿を見せなかった。下手くそなコメンテーターのような人間があてがわれてくるだけだった。

 今日私の目の前にいるのは、紛れもなく本物の科学者なのだ。

「じゃあ、科学は何のためにあるんでしょう。人は幸福のために科学を追求しているんじゃないでしょうか」

 科学者は私の質問に対して、腕組みをしてうーんと考え込んだ。真面目な人なのだ。

「後半は当たっている。しかし科学からの視点が抜けている」

「というと?」

「科学のほうが、人の幸せへの希求力を燃料にして歩みを進めているだけだ。それが燃え尽きたら、科学はまた別の燃料を見つけるだけさ」

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ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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