時代という船と変化[言葉の切れ端152]

変化はたしかに避けられないかもしれない、それはわかるよ。

でもそれは、飽きっぽいのとはちょっと違うんじゃないかな。

たかだか世代が二つ変わるだけで、こんなにもできる仕事や使う道具が変わってしまったら、僕たちはどうやっておじいちゃんやおばあちゃんと話をすればいいんだろう。

彼らを師匠として一つひとつ教わっていく仕事は、もうなくなってしまったのかな。

そういうのって、けっこう疲れちゃうよね。

わたしはもう、時代って船から降りちゃいたいな。

The following two tabs change content below.
ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

新刊発売中!

できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

『レモンドロップの形をした長い前置き』
著者:田中千尋
販売形態:電子書籍のみ
販売価格:450円(※Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めます)