個人の準備不足と国家と悪者[言葉の切れ端161]

いいかい、たいていの問題なんてのは、個人の準備不足が招くものだ。
定年後の生きがい、老人の医療費、空き家、行き先を失った物の山。

もう少し年齢を下げてみようか。
リストラ、生活習慣病、共働きと子育てを両立する試みの過程で発生するストレス、離婚。

ちゃんと選択肢はあったのに、怠けて目を背けてきたのは個人だ。それをどうして国が助けてやらなきゃならない?

解決すべきは、選択の不平等だ。

つまり、生まれてからせいぜい十五年か二十年を保証してやればいい。徹底的にな。

ところがそうはならない。

ほら、だんだんとわかってきたね。そう、悪者はいないんだ。ある時点まではね。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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