手を抜くことと力を抜くこと[言葉の切れ端175]

力を抜くことはたぶん、私が思うよりもずっと大切なことなのだ。

それは手を抜くことではなくて、体じゅうに酸素を行き渡らせること。

人生は、マラソンのように走り続けるには長すぎる。
立ち止まるというよりもむしろ、寄り道するように。道端の草と世間話をするように。

私たちの暮らしの潤いというのは、案外本質とは別なところにあるように見えるということを覚えておくこと。

雨あがりのおひさま。地面の濡れたところと乾いたところ。
どこかに出かけることと帰ってくること。

そのことにちゃんと気がつくこと。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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