正しい時に正しいことをしたような気がした『ハネムーン』吉本ばなな

大切に飼っていた犬が死に、私は何をするでもなく庭で飽くことなく一日を過ごす。

隣のおじいさんが死に、私たちは結婚している。

恋人の心のなかにある闇を見つめ、引きずられそうになり、癒やそうとする。

一緒になってつらくなったり、互いのために離れてみたり。

それでもどうにもならなくなって、また一緒にいる。

誰かと誰かが一緒にいるということは、甘いことだけではない。
ふたりぶんの闇が混じり合い、時にそれは溶け合って鮮やかな色を見せるし、時にはおおきな竜巻のようにふたりを遠くへ連れて行ってしまう。

話さなくてもお互いのことがわかるようで、全然わかっていない。

親がふつうにいること、家が明るいこと、くだらないことで悩んでいること。
そんな健全さが刃になる時だってある。

心をきちんと見つめる、幼くて繊細な二人の小さな新婚旅行のお話。

挿絵と言うにはもったいないくらいの、豪快で細やかな絵のページのおかげで、少しずつ、立ち止まりながら読むことができた。

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ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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