自分をコントロールしようとするのは諦めたほうがいい

わたしは完璧主義です。
世の中、基本的にはゼロか百だと思っています。
何かをパーフェクトにするか、全くしないか、です。
例えば。
ジョギングをすることに決めて、ある日一日だけサボってしまった時。
もう自分がどうしようもなく嫌いになります。
自分で決めたことすら自分でできないなんて、いったい何ができるんや、となります。
そして、翌日からジョギングなんてやめてしまいます。
だって「失敗」したんですから。
強烈な敗北感とともに、その後数日を過ごします。
例えば。
ダイエットをはじめて、三日目のある日。
猛烈にアイスクリームが食べたくなって、食べるとします。
すると、「ダイエット中なのにアイスクリームを食べた」という事実が頭にこびりつき、アイスクリームをせっかく食べたのに、全然幸せではなくなります。
それどころか、「もう今回のダイエットは失敗」と決めてかかり、その後、まるで太りたい子のように食べます。
似たような経験をお持ちの方がいらっしゃったらわかってもらえるかと思うのですが、このゼロ百ゲーム、程度が激しいと本当に疲れます。
しかもこういうのはたいがい、自分で言うのもあれですが「努力家」に多く見られる現象だと思います。
完璧主義で、自分に厳しくて、努力家で、
けれど、自分の立てた目標を達成出来るだけの力量はない。
そんな残念なわたしは、いつも「敗北感」で日常が満たされていくようになりました。
自分で自分をコントロールしようとしている
目標を立てる、というと聞こえはいいですが、これ実は、「自分を支配してやろう」と思っているだけなんですね。
自分のことは、自分で全部わかると思っている。
だから、自分のことを自分で思い通りに動かすことなんて、簡単やと思ってる。
それなのに、上手くいかない。
自分が自分に裏切られたような気分になります。
自分で自分をコントロールすることを諦める
いいですか、「自分で自分をコントロールすることをやめる」のではありません。
否定すればするほど、自分をコントロールしたくなります。
だから、ただ「わかる」んです。
自分って、コントロールできへんもんなんや、と。
数多の経験に裏付けされたあなたならきっとわかるはず。
わたしは、最近になってようやくこのことがわかってきました。
あたまではなく、こころで。
あたまで決意したとしても、からだがついていかない時もあるし、こころが嫌がる時もある。
その三つのバランスが、崩れているだけなんです。
本当にできる時は、無理やりからだとこころを引きずり出さなくても、できます。
できない時は、自分の総体がまだそれだけの力量を持っていないだけ。
自分が百点を取れるところまでハードルをさげなくてもかまわない。
こういう性格の人は、多くの場合かなり負けず嫌いだから。わたし含め。
休み休みでも、全部なかったことになんてせずに、今日は八十点。明日は九十点。明後日は五十点でも、その次は九十五点。
そんな感じで進んでいけばいい。
百点が取れるころには、今の目標じゃ物足りなくなって、次の目標を立てたくなってるはず。
できなかった部分は、明日のためにおいておいたのびしろ。
そういうふうに考えられるようになると、長い人生を走りやすくなるんではないでしょうか。
書いた人
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ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。
文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。
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