世界はふたつに分かれるのか。
情報を追いかけるということ
「現代人が一日で得る情報量は、江戸時代の人の一生分のそれに匹敵する」
こんな話を聞いたことがある。
今の時代、それこそ情報は洪水のように、雪崩のように流れてくる。
私自身、テレビ、新聞の類は、あまり見ないようにしていた。
ロクでもないニュースを追いかけるために時間を無駄にしたくない。そう思っていたからだ。
けれど、ここひと月ほど、毎日隅々まで新聞に目を通していると、
ロクでもないニュースが結びついて、ぼんやりと全体像を形作るようになってきた。
バラバラのニュースが、ぜんぶ繋がっているのだ。
スマホで暇のある時にだけ読んでいた記事の寄せ集めとは、明らかに質の違うまとめ方だった。
日経の色もあるし、記者の色もあるから、鵜呑みにという訳にはいかないが、
なるほど世の中の動きがだんだんとつかめてくる。
そして改めて感じたのは、「無知の怖さ」だ。
これまでも、そしてこれからも、情報を積極的に取り入れていかないと、
何もかもが知らないところでひっそりと行われていくのだ。
所詮庶民の目に届く頃には、都合の悪いことはうまく隠されていて、けれど、そんなことは一生知らないほうが幸せなのかもしれない。
それでも、最低限自分のサンクチュアリに侵入してくる要素にだけは、しっかりと目を配っているべきだ。
こんな世界でも愛して、しぶとく生きていこうと決めたなら、必要なことなのかもしれない。
イオン、ドラッグを中核事業に グループ4社の経営統合発表
昨日の日本経済新聞一面は、こんな内容だった。
イオン、ドラッグを中核事業に グループ4社の経営統合発表
これから世界は大きな大きなグループ企業の塊と、個人でやっていく職人型の働き方に二分する。
こんな内容を、本で読んだことがある。
早くもこの兆しが現れ始めているのではなかろうか。
つまり、企業の間では勝ち負けがハッキリしてきている。
合併が進み、弱小はどんどんと淘汰される。
かつての大企業も、現代のスピードについていけていなければ同じことだ。
ダイエーはイトーヨーカドーのセブン-イレブン参入に遅れて、ローソンを投入した。
その「遅れ」の姿勢は、今も足を引っ張っている。
ローソンは最近、成城石井を買収。
ミニストップを持つイオンは、ダイエーを完全子会社化。
つまり、成城石井とミニストップは、遠い親戚になった。
その上、イオンはまたもグループ企業の経営統合……
ネットの発達や輸送機関の発達によって、どんどん世界が狭くなるというのは、こういうことか。
画一的なやり方が、より広い範囲で通用するようになる。
最強の巨人が1人いれば、なにもかも事足りてしまう。
それは、人々の欲望を吸い取って大きくなった、どこかの怪物を思い出させる。
この流れはどんどん進むだろう。
けれど、それだけでは味気ないから。
人は「心」を持っているから。
他とは違う何かや、人の魂のこもったものや体験をほしがる。
そういう心のために、職人として、大企業の渦に巻き込まれずに個人で生きる人の存在が求められる。
努力はもちろんのこと、才能も兼ね備えた「選ばれし戦士」なのだ。
あるいは、結局のところ、世界はそんなにシンプルにはならないのかもしれないな。
24歳の私に言えることは、
人生は「一寸先は闇」だし、
「人間万事塞翁が馬」だし、
まぁ「明日の事を言えば鬼が笑う」のだから、
ちょびっとだけ先のことも考えて、毎日楽しく暮らそうよって話ですね。
いつも先を案じすぎてしまうわたしです。
ブログ運営者
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ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。
文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。
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