からつゆに実るいんげん豆は胡麻和えで

「からつゆ」という言葉を、今日はじめて知った。
雨が降らない梅雨だということだそうです。
先週、関西が梅雨入りしたというニュースを聞いた。たしかにあれから、雨が降っていないような気がする。
雨が降らない梅雨の、どこがいけないのか?
それはたぶん、農家がいちばん真剣に語ってくれると思う。
たとえば稲。
5月に植えた稲は、6月の雨でぐんと強くなる。
それから、溶けるような7月と8月を超えて、10月に黄金の稲穂を成らせるのだ。
たとえば毎月生理が来るのも、お腹は痛いしお風呂に入れないし、いっそ来なければいいのにと思うかもしれない。
たとえば夏の夜になると蚊がわたしたちを悩ませるのだって、全部死んじゃえばいいと思うかもしれない。
でも、そうはいかない。
そうなってはいけないのだ。
自然は自然のままであるほうがよいことも、たくさんある。
それでも、からからの6月にも実るものはある。
いんげん豆だ。
細く頼りないような豆が、たくさんなっている。
胡麻和えにしようか、肉じゃがにしようか、それともサラダ。
中玉トマトだって実がついてきたし、
スーパーに行くだけじゃ知ることのない、たくさんの命たちがここで育っている。
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ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。
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