人間はものを生み出し続けていると思っていたけれど。

人間が人間になって何万年経つのだろう。

その中で、人は考え、争い、耕し、商い、進化してきた。
と、思っているだろう。

自分たちの「快」に到達するために(もちろんそんなものに沸点はないけれど)、あらゆるものを生み出してきた。

そして、今も生み出し続けている。

それを否定し、人間の奢りに嫌気が差し、それでも新しいものを求めずにはおれない自分がいた。

新たなるものへの欲求は、進化なのか、それとも退化なのか、それともただの変化なのか。

前にもこんな話をした気がする。

ただ、ふと思った。

宇宙規模で考えれば、物理的に、そして科学的に、地球上の物質の総量は変わっていないはずなのだ。

それをごちゃごちゃと並び替えて、見る方向を変えて、私たちは満足している。

可愛らしいものではないか。

もちろん、それで自分たちのしてきた環境破壊や物質至上主義を無条件に肯定してはいけない。

何もかもが宇宙規模で考えれば良いというものでもないのだ。

ただ、どうにもこうにもいかなくなった時、
「これは宇宙規模で見ればちっぽけなことで、所詮我々人間も原子も集まりであり、我々の活動はその原子の並べ替え作業にすぎないのだ」
と思うようにすれば。

すうっと胸のつかえが取れて楽になる時があるのだ。

私たちが絶望しても、希望いっぱいに生きても、宇宙に塵ほどの影響もないのだ。

だから私は、それが偽りの真理だと言われようと、思い切り勘違いをして陽気に生きていきたいのだ。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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