しんしんと。窓のそばで

冷えるね。

年末は、暖かかった。

けれど、年が明けた頃からぐっと冷えた。
昨日、神社で御神酒を配っている時、手の先と足の先が冷えたもの。
家に帰ってお風呂に浸かった時、じーんと痛かったもの。

そして、今日は雪が降った。
こんな日は、外に出るのもおっくうなくらい。
しんしんと、静かに白い雪が積もった。

「お正月くらい、家でゆっくり過ごしなよ」

元旦からせっせと買い物に行き、店で客をもてなす日本人に、空がそう言ったのかもしれないな。

そう思うと、ふふふと笑いながら年賀状の返事を書いたり、本を読んだりしてぬくぬく過ごす。

私のような引きこもりの寂しがりやにとって、天気の悪い日はクリスマスじゃないのにもらえたプレゼントみたいなもの。

みんなが家にいて、出かけなくてもなんの後ろめたさもなくて、大手を振ってうちにいられる。

ぬくぬくぬくぬく。

忙しいのが好きだった頃のわたしは、お正月が大嫌いだった。
じっとしてダラダラなんてしていられなかった。

けれど、今はこういう時間がすごく愛しい。

私は、怠け者になったのだろうか?
それとも、自分の中に「すん」と落ち着ける何かを見つけたからだろうか?
もしかしたら、もう歳なのかしら?

こんなことを言っていると、雪に怒られてしまうかもしれない。

雪は、いい天気なのだから。

ああ、まだ明日は1月2日だ。
うれしいな。

IMG_3665.JPG

The following two tabs change content below.
ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

新刊発売中!

できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

『レモンドロップの形をした長い前置き』
著者:田中千尋
販売形態:電子書籍のみ
販売価格:450円(※Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めます)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。