図書館の優遇

図書館が好きだ。
本を読むのが好きで、あの静かな雰囲気に包まれながら人々が手を触れたたくさんの図書に、自分の手をつけていく。
それは、物理的のみならず、感情の共有にもなりうる。

そこには、真新しい本が何冊も並んでいる書店とはまた違った良さがある。
ほとんどが、一冊限りの本。
その図書館にある、その唯一の本が、二週間だけ自分だけの手元にある。

これってすごく贅沢な気がする。

ところで、図書館は利用が無料である。
二週間も、好きな本が、八冊も無料で借りられるのだ。

CDやDVD、マンガなんかだとこうはいかない。
借りるのは全て有料である。

どうしてなんだろう。

図書館は市や都道府県が運営しているから、もちろんそこから補助金が出ているんだけれど、どうして図書館には補助金が出るのだろう。

もちろん、調べ物をする際の資料を探したり、子どもの教育的な観点から見ると、読書というのはかなり大きな比重を占めるとは思う。
それに、国をあげて力を入れてくれるのも、ありがたい話だ。

けれど、わたしのように完全に娯楽として図書館を利用している人は?
なんだか、趣味に関してかなり優遇されている感が否めない。
いいのかな、と。

きっと、音楽や映像、マンガでも、教育的観点から見て貢献できる部分はあるだろうし、そこに国が追いついていないということなのだろうか。

わたしは読書から得るものが、音楽や映像から得るそれよりも多いと確信しているが、それにはきっとかなりの偏見が混じっている。

図書館。
不思議な存在である。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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