頑張りたい気持ちをセーブしながら暮らすということ。
木曜日。
お医者さんの日だ。
サバサバしているけれど、優しい、女の先生。
必要以上に足を踏み込むことなく、客観的に意見をくれる。
実は、この日は頭が痛かった。
前日の水曜日に嬉しくなりすぎてしまって(前記事参照)、料理や買い物を張り切ってしまったのだ。
本当は読書やブログもしたかったのだけど(だってこんなに気分がいい日は久々だったから)、力尽きて眠ってしまった。
そして、起きたのが5時。
汗をかいていたので、シャワーを浴びる。
手羽先をオーブンにセットして、皆の帰りを待つ。
家族には、本当に心配をかけた。
だから、感謝の気持ちをわたしなりに表したかったのだ。
今日あった嬉しい出来事を、報告した。
ご飯を美味しいと言ってもらえた。
嬉しかった。
そうしたら、突然頭が痛くなった。
ズキズキズキ。
じんじんじん。
「ほうら、だから飛ばし過ぎちゃダメだって言ったのに」
と、妹。
「だって、今日はなぜか調子が良くてなんでもできそうな気がしたから」
「そういうことだよ、お姉ちゃん。自分で感情や調子が全然コントロールできなくなってるの。それほど疲れてるの。だからあなたは会社を休んでるんだよ。わかる?」
はい、経験者は語るというやつですね。お言葉が深いです。
そんなわけで反省しながら眠る。
頭痛でほとんど眠れなかったけれど。
朝起きても、全く収まる気配はない。
市販の頭痛薬と、処方されている薬を飲み合わせてもいいのかわからず、ただひたすら耐えた。
スマホの画面を見たり、本を読んだりはおろか、一歩歩くたびに激痛が走る。
病院の時間までほとんど横になって過ごした。
これはこれで、ある意味地獄だ。
病院の先生に、あれこれ報告。
まずは、よかったね、と。
「ただし!」
部屋を出る時に先生が語調を強めた。
「あくまで70点を目指すこと。テンションが上がりすぎて、頑張りすぎちゃうのはあなたの性格でいいところだけれど、それで具合が悪くなるのは一番ダメ。特に今は、できそうだと思っても注意してセーブしてね(ニコッ)」
はぁーい
もうしばらくは、薬を飲みながらの生活だ。
セーブか。
セーブって、難しいな。
70点って、どのくらいだ?
日頃から、「今のわたしは30点だ、もっと頑張らなくちゃ!」という気持ちで暮らしているので、どの程度でやめておかなくてはならないのか、よくわからない。
それも、今の課題だな。
人生は、長い。
学生時代のように、明確な区切りや目標がないから、常にがむしゃらに頑張り続けては息が切れる。
それにしても、好きなことがちゃんと楽しめるというのは、なんと素敵なことなんだろう。
家族に素直な笑顔を向けられるというのは、なんと幸せなことなんだろう。
頭が痛くたってなんだって、にやにやしてしまうくらい、わたしは幸せだ。
頭痛薬も飲んでいいみたいだし、今日はゆっくりしよう。
好きなことだけしよう。
来週から、ボチボチ戻って行こうかな〜
さて、うまくいくかな?
書いた人
-
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。
文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。
新しい書きもの
日々のつぶやき2021.08.06当面の間、更新をお休みします。
言葉の切れ端2021.08.03涙の存在証明[言葉の切れ端254]
言葉の切れ端2021.07.31泣いてほしくないなんて願うには[言葉の切れ端253]
言葉の切れ端2021.07.28親しい友人の死を予測すること[言葉の切れ端252]
新刊発売中!
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。
『レモンドロップの形をした長い前置き』
著者:田中千尋
販売形態:電子書籍、ペーパーバック(紙の書籍でお届け。POD=プリントオンデマンドを利用)
販売価格:電子書籍450円(※Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めます)、ペーパーバック2,420円