夫婦ってひとくくりにはできない『きらきらひかる』江國香織

きらきらひかる

ふたりの関係が完璧で完結したものであるほど、周りの存在は厄介なものとなる。

それは、ふたりだけの甘い世界とかそんなものではなく、ただ静かに穏やかに、静的とも言えるほどの日常を、「おせっかい」が乱してしまうことにある。

男女が新婚であるという状況が、彼らにレッテルを貼り付ける。
セックスはしないのか?
子どもは?
正しき夫婦のあり方?

睦月と笑子は新婚で、セックスレスで、互いに好意を抱いている。

ただ睦月はホモで恋人がいて、笑子は精神的に少々問題を抱えたアル中の女というだけのこと。

そう、徹底的に異常である。

こんな関係は許されないのだろうか?

それは、婚姻という契約を交わした後に自然発生的に生じる「縛り」がそう思わせるのだろう。
夫婦になるからには、それなりの枠組みに収まることを求められる。多かれ少なかれ。

愛の数だけ愛のあり方があるように、夫婦のあり方だって夫婦の数だけある。
いや、お互い違うありようをしているかもしれないから、夫婦の数の二倍ということになるかもしれない。

人間がつくりあげた社会という代物は、あらゆるものを一般化しすぎてしまうのだ。

人間は、人間である時点で異常なのかもしれない。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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