『Story Seller2/新潮文庫』

1作目がおもしろかったので、たまたま古本屋で見つけた2作目を手にとってみた。

「買うなら新品、それ以外は図書館で借りる」

という主義を貫いていた私だが、最近古本にも抵抗がなくなった。

「捨てられちゃうよりも、もう一回くらい読まれたほうが本にとっても嬉しいんじゃないかしら」
「資源も無駄にならないしね」
というのは、エンジェル楓の発言だ。

実際の理由は、もっと利己的なところにある。笑

古本屋は、新作ばかりが目立つところにある書店と比べて、運命の出会いが多い。
要するに、「書店員のおすすめ」ではなく、ただそこに売られたからそこに存在する、といった本に出会える。

思わぬ名作に出会うこともあるし、「こいつはこんな安値で売られる駄作ではない」と憤慨することもある。

ただ、私もその安さの恩恵を受けることになるのだが。

値段が安い分、気軽に手が伸びる。
普段挑戦しないような領域に足を踏み入れることもある。

今は先日購入した
坊っちゃん
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)
が、うちの本棚で静かに順番を待っている。
うふふ

この本も、そんな風にして手に取られた一冊だ。

知っている作家も、知らない作家もいる。
オムニバス形式は、新しい作家に出会うきっかけにもなる。

「あ、この人のこの話、短篇集で読んだわ」なんて場面にも遭遇する。

全然違うテイストが同じ本に入っていて、次々と順繰りに姿を見せるというのは、静的テーマパークとでも言うべき高揚感に包まれる。

3も出ないかしら、と密かに楽しみにしている私である。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

新刊発売中!

できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

『レモンドロップの形をした長い前置き』
著者:田中千尋
販売形態:電子書籍のみ
販売価格:450円(※Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めます)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。