大人たちは忘れてしまう『遠い声 遠い部屋』トルーマン・カポーティ

カポーティ

いまここから見えている世界。

世界とのつながり。

つながりが断ち切られることへの不安。

曖昧なつながりは、確かな感覚を残してはくれない。

そんなときにもし、血のつながりの可能性を提示されたら。
そこに向かわないわけにはいかないのではないだろうか。

特にそれが、子供である場合には。

小さな記憶さえない父親を探して、ジョエル少年はヌーン・シティを訪れた。
そこへは、バスも汽車も通じていない。

迎え入れた「大人たち」は、真っ直ぐで傷つきやすい少年を扱うには、あまりに未熟で幼稚な面々に見える。

大人とは、こんなものであろうか?

始終なにかをごまかし、認めず、それでいて、もはや守られる存在ではない。

それでは大人とは、「他人を守ることのできる存在」のことを言うのか?

いや、わたしたちの大半は、自分を守ることさえままならないのだ。

早く大人にならざるを得なかった一人の少年の、美しく切ないひとひらの物語。

書いた人

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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