『僕には数字が風景に見える/ダニエル・タメット』

アスペルガー症候群を持つ筆者の、「普通になりたい」の努力を描いたノンフィクション。

まだその名前が知られる前から、他人と違う自分に戸惑い、それでも親の愛を受けて育ってきた彼。
彼にとって、「普通の人が普通にしていること」は、しばしばひどく困難を伴うものだった。

靴紐を結ぶ、会話の行間を読む、急な予定変更に柔軟に対応する。
そのような緊張と苦痛を伴う体験から、彼は孤立していた。
しかし、彼自身は特に一人でいることを苦としたわけではなく、彼なりの自然の法則に従って生きていた。

そして、その驚くべき記憶力、数学と歴史の能力はあちらこちらで萌芽し、彼の自信を後押しした。

今の時代は、なんでもかんでも病名がつく。
それで救われる人もいるだろうが、それに逃げてしまうこともあるだろう。

彼は、あくまでも普通に生活を送るために、心底努力した。

そして、同性愛者として大切なパートナーに出会い、彼にしかできない生き方をしている。

投稿者プロフィール

ちひろ
ことば、文字、文章。
それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。

文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。
そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。
私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

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できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

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