『エンド・ゲーム―常野物語/恩田陸』

常野物語シリーズ第3弾。
第1弾はこちら。
第2弾はこちら。

「裏返す」「裏返される」
シリーズの能力の中で、わたしが最後まで馴染めなかった、というかイメージしにくかった能力だ。

要は、人間社会のあちこちに潜む、「あれ」と呼ばれる悪い何かを、「裏返される」前に「裏返す」ことによって、駆逐していくというものらしい。

他の常野一族と交わることなく活動している一家が拝島一家だ。
常野の中でも最強と謳われた父は、ある日突然失踪した。
父は「裏返された」のか?

母と娘でなんとか暮らしていた瑛子と時子だったが、ある日母が倒れた。
特に異常はないのに、眠り続けている母。

娘は、動く。

裏返すとは。裏返されるとは。
現れる、新たな常野の人間。

誰を信じればいい?
真実はどれだ?

最後の最後に、ひっくり返される。
まさに、読者が「裏返された」気分になる。

恩田陸さん、さすがです。

The following two tabs change content below.
ことば、文字、文章。 それはとても恐ろしいものでもあり、うんと心強い味方でもある。 文字はマンガに劣り、写真は動画に劣ると言われる時代で、文字の集積だけがもたらしてくれる「情報」以上の無限の想像のための余白。 そんな文字の持つ力に心躍る方がいたら、ぜひ友達になってください。 私はそんな友達を見つけるために、物書きをしているのです。

新刊発売中!

できることなら、十四歳という年齢はすっとばしてしまえるのがいい。
冬に元気をなくす母親と、影の薄い善良なフィンランド人の父親を持ち、ぼくは彼らの経営する瀬戸内市の小さなリゾートホテルで暮らしていた。ある時なんの前触れもなしに、ぼくにとって唯一の友達であったソウタが姿を消した。学校に行くことをやめ、代わり映えのしない平穏な日々を過ごすぼくの生活に、少しずつ影が落ちはじめる。

『レモンドロップの形をした長い前置き』
著者:田中千尋
販売形態:電子書籍のみ
販売価格:450円(※Kindle Unlimitedをご利用の方は無料で読めます)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。